母さんと交わした会話はほんの少しだけ。 「生きていてくれて、ありがとう」 「覚えていてくれて、ありがとう」 そう言って、母さんは涙ぐみながら、俺を抱きしめた。 母さんの温もりを思い出した気がした。 少しだけ、涙が出た。 その母さんに会った日から、3日が過ぎた。 『宛先:優奈 やばかったらさっさと逃げてこいよ』 そうメールを送ったが、優奈からは何の連絡もない。