「朋宏っていつも超いい人だから、いろいろストレスとか溜まってるみたいで」
「……」
加奈もショック受けているみたい。
スプーンを突っこんだままのミネストローネが冷めてきている。
「でも、それ以外は本当に優しいから! 時々ちょっとキレちゃうってくらい」
「危ないよ……それって大丈夫なの?」
心配そうな顔で、加奈はあたしを覗き込む。
「もちろん! だってあたしが生意気言わなきゃいいんだし。自分の性格直すいいチャンスかも」
「何かあったら、すぐ家族のとこ帰るんだよ、あとあたしとか潤一くんとかにも話して」
「はいはーい!」
しまった、そういえば、
タケルと潤一の番号とアドレス、朋宏に消されちゃったんだ。
あたしの携帯には、朋宏とパパ以外の男の連絡先が一切なくなってしまった。

