「”あの時は”って事はもう目覚めたんでしょうが!!
どうせその後は怖くて行けてないんでしょう!?」
「……。」
どうやら図星だったらしい。楓から視線をそらす。
「馬鹿なんですか?」
「なっ…!」
「はぁ、…今から行きましょう。」
近くに置いてあった薄いコートを羽織り、楓が言った。
「は?」
「行くんですよ、今から。会長の言う”あいつ”に会いに。どうせ住所とか今何してるかも知ってるんでしょう?」
「(なんで分かるんだ…。)」
相沢は全身から行きたくないオーラを出す。しかし楓によって黙殺された。
「……。」
「ほら、これ着て。」
敬語も敬いもどこかへ置いてきた楓が相沢にコートを投げる。ちなみにこれも控室にあったものだ。

