四王寺学園記






「1-S、北原楓だ。」



沈黙が、会場を包む。


誰かがヒュッ、と息を吸う音が聞こえた。




『キャーーー!!!』
『嘘でしょ!?』



それを合図に次々と声が上がる。
一方、言われた本人は何が何だか全く理解できない。


「(私が、ひめ…?)」


楓は周りからの視線をビシビシと感じた。それは嫉妬であったり、憎しみであったり…さらには哀れみであったり。


しかしそんな雰囲気をぶち壊すが如く有巣川が声を出した。


「僕、有巣川涼の”姫”は…1-S前野薫ちゃんだよ。」