「そろそろ始まるぞ。舞台で皆待っている。何道草してんだ?」
「ごめん尋和。すぐ行くよ。」
「…あ?お前…。」
相沢が岬の方を向き何か思い出そうとしている。
「ああ、分かった。お前、ふう「ふうあああぁぁぁ!!!」
またも岬がさえぎった。今度は真っ赤ではなく真っ青だ。
有巣川はその様子を見て忙しい子だなあ…と思ったり思っていなかったり。
「み、岬…?大丈夫!?」
「あは、あはは…?お気になさらず~あはははは…。」
乾いた笑いで岬が答えた。そんな事をされれば余計心配になるのだが…。
「尋和、それシークレットなんだってよ。」
「はぁ?別に隠す事でもないだろうに。
…あ、北原。」
「お、お久しぶりですね、会長。」
本当は朝会ったばっかりだけど楓が言った。なにせ周りからの視線が凄いのだ。穴が空いてもおかしくない位見られている。会長・副会長の親衛隊だろう。
相沢もそれに気づいているのだろう、わざと皆に聞こえるように「入学式以来だな?」と言った。
「そうですね。あの時はお世話になりました。学園に来たばかりで道が分からず迷っていた所を助けて下さって。感謝しています。」
楓もわざと大きめの声で言った。楓がそう言い放つと周りから突き刺さっていた嫉妬の視線はかなり和らいだ。

