「ほら、これ。首にでも巻いとけ。」
そう言って差し出された手の上にはチョーカーと呼ばれるものが乗っていた。
「え、なんで…?」
「いいから。ぜってぇ着けろよ。」
「…はい。」
そのチョーカーは決して煌びやかでも豪華でもなかった。しかし白をメインとしたそれは落ち着きがありなぜが目を引きつけられる美しさを持っていた。
「いいんですか?こんな綺麗なもの…。」
「いいんだよ。ってやべっ!こんな時間だ。着替えねぇと…!なんでこういう時の生徒会は早く出なきゃなんだよ、ちくしょう。」
「大変ですね。あ、はい。Yシャツです。」
「すまん。」
なんだかこの夫婦のような会話にも慣れてきた。相沢は自分の事に興味が無いというか…無頓着で、平気でご飯を抜いたり自分の服の在りかが分からなくなったりをしょっちゅうしている。
そんなこんなで必然的に楓は甲斐甲斐しい妻のようになっていた。
「はい、ネクタイ。」
「おう。」
もう相沢の部屋の何処に何が在るのか把握している気がする。

