四王寺学園記





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「楓ー、お風呂入るけど一緒に入るか?」



楓がリビングで寛いでいると、2階から声がした。




「私は後で入るから、尋和先入ってー。」

大きい声で2階の相沢に声が届くように言う。楓のNOの返答を聞いた相沢はどこか不満げな声を出し、分かった、と風呂場へと向かっていく。



足音が遠ざかった後、楓はほっと胸を撫で下ろした。

いつもはもっとしつこくちょっかいを出してくるのだ。



(…でも、それが嬉しい私っておかしいのかな…?)


相沢のふざけ半分(たまに本気)のちょっかいに、楓は愛されているんだと実感する。だからやめて、と言えなくて困る時もあるのだが…。