そんな楓が可愛くて、相沢は唇にもキスをした。
前まではされるがまま、どうしていいか分からなかった楓も、最近は受け入れようと頑張っているのが伝わってくる。自分を喜ばせようとしてくれている、その事だけで相沢は幸福感に満たされるのだ。
「ご馳走様。」
下唇を妖艶に舐め、相沢が言った。その仕草一つ一つにときめいてしまう楓はいつも自分の顔が赤いんじゃないかと心配になる。
「楓は美味しいな。」
「!?…それ、なんかヴァンパイアみたい。」
真顔で自分の唇を指で触りながら言うのだ。その姿はまるで”ヴァンパイア”。
しかし楓は相沢がヴァンパイアなんて似合っちゃうかも、と思った。

