「ほら、入れ。」
楓を促し照明のついていない真っ暗な部屋の中へと入る。すると二人の気配を察知して照明がつき、部屋を明るく照らす。
照明によって明るくなった部屋はシンプルな家具で統一されたセンスのいい部屋だった。
「え…。」
後ろを振り向けば豪華絢爛、前を向けば生活感の感じられる普通…にしてはかなり広いが普通の部屋。ドアを一枚挟んだだけなのにこんなに景色が変わるのだろうか、と楓は思った。さながらどこでもドアのようだ。
「俺の部屋だ。あっちよりは居心地がいいだろ?」
楓はコクンと頷いた。確かにあの無駄に広くて豪華なリビングよりは落ち着く。
「ちょっと待ってろ。」
「…?」
楓をソファに座らせて相沢がドアの向こうへと消えていく。

