「零~……」 ダルい身体。 凍えるような寒さを訴える身体。 「38.9度。完璧風邪ですね」 呆れたような、困ったようにため息をつく零。 それも仕方ない。 昨日、家に向かい始めたのが23時。 あげく道に迷ってしまたのだ。 寒い中、コート一枚で。 これじゃ、せっかくの零の誕生日が台無し。 平丸シェフに、ケーキを一緒に作る約束をしていた。 それはもちろん駄目。 メイドたちと、パーティーの飾りつけをする約束もしていた。 それももちろん駄目。 ごめん…… ごめん、零。