お昼休みになっても、あたしはモヤモヤしたまま。 …おかしい。明らかにおかしい。 いつもの翔太なら、教室の前まで送ってくれるくらいあたしに過保護なのに。 気づいたら、体育館に取り残されてたあたし。 「…翔太のくせに……」 ぽつりと呟いたあたしの声は、騒がしい教室では誰にも聞こえないよね。 「美咲〜?何か暗くない?」 「え?そんな事…」 隣に座るクラスメイトに、あたしは曖昧に否定する。 「もしかして美咲… 恋煩いかぁ?」