「おかえり、奈由。 明日には新居に荷物、届くからな?」 「うん、ありがとう。」 侑祐さんがいない間は拓があたしの面倒を見てくれた。 引っ越しの手配や荷造り―… 感謝してもしきれないくらい。 「本当に兄貴には言わないのか?」 「言わないよ?」 侑祐さんには言うつもりない。 たとえ、これから先この子のことでお金に困っても……侑祐さんにだけは絶対に頼らない。 そう、自分で決めた。