どのくらい、見ていたのか分からない。 時間が立つのを忘れるくらい、あたしは彼に見とれていた。 ガラガラッ 「おわっ!!びっくりしたー…って、木下か? お前まだいたのか?」 教官室から出てきた先生の声でハッとした。 「なぁにやってんだぁ?」 「…ねぇ、先生。 あの人って誰…?」 先生の質問にも答えず、あたしは問う。 そんなあたしに先生も視線の先にいる、彼を見る。