あろうことかリーゼント男子は、何時間かけてセットしたかわからないそのリーゼント頭に手を突っ込んで、ぎらりと煌めく小型ナイフを取り出した。


 そして、


「死ねぇ!」

 今一度そんな言葉を叫びながら思いきしナイフを投げてきた。



 力のコントロールもされないナイフは、余裕で近衛を越えて千晴へと一直線。


 目を閉じることも忘れ、ただ千晴は映画のワンシーンのようにそれを見ていた。