それゆけ、図書委員長が参ります!

♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀





「おまえなんか、消えちまっても誰も困んねぇよな」



 死体に群がる無数の蛆虫のどれかが言う。






 音も立たずに息を潜めて横になり大して役立てない肉体が広大なる大地に還るのをひたすら待つ死体役は、俺。

 ならば、ちっぽけで弱い人間一人に大勢で取り囲みいたぶる彼等には、蛆虫役がお似合いだ。




 いや、奴等は蛆虫なんかじゃない。


 蛆虫のように腐敗した肉を綺麗に分解し、土に還してなどくれない。



 自分より弱い人間をいたぶって優越感に浸っているだけ。






「悪く思うな。別に俺達は、おまえが嫌いってわけじゃない」


 にやついた薄気味悪い蛆虫達が、じりじりと俺を取り囲んでいく。




 誰だってそうだろう。


 自分より劣っている人を見ると安心する。

 誰かが失敗する様を見ていると安心するもの。安心させてくれる人は嫌いじゃない。