「近衛隆太に徒野夕吉を倒させた後、不良の奴らを使って近衛隆太も倒そうと思ってたけど…、うまくいかなかったな」
困ったように笑いながら後頭部に手を添える頼。
「でも、まあ近衛隆太の方は大丈夫そうだ」
千晴は、頼の言葉に首を傾げた。
(不良の人達が近衛さんを倒す?…不良の人達って、図書委員長である徒野くんのフリした頼に倒されたんだよね?…というか、そもそも不良の人達って近衛さんの手下じゃん)
千晴の頭の中を、はてなマークが飛び回る。
頼は、そんな千晴の頭の中を見通すように、くすくすと笑い声をもらした。
「近衛隆太が、危ないかもってことだよ」


