(うわ、どうしよう)

 千晴は、慌てふためいた。


 (すっっごい綺麗な人だなぁ。なんか綺麗過ぎて立ちくらみしてきた…うわー、うわー。女の子みたいに綺麗な白い肌だなぁ…ん?いや私も女の子なんだけれども、なんてゆーか比べものにならないというか私なんてお呼びじゃないみたいな…ってぇええ、さすがに自分でも言い過ぎだよ私…)







「ねぇ聞いてんの」

「うぉっ、はい」


 どうしよう。
 千晴は、困った。


 怒らせてしまったんだろうか。

 けれども、そのわりには男子の薄い唇は微笑みを浮かべている。




「あの、ごめんなさい」

 とりあえず千晴は頭を下げた。


「え、やだよ」

 けれども男子は拒絶した。
 女の子も男の子ですらみんなイチコロなんじゃ…ってくらいの素敵な笑顔で。