「あ…」

 “徒野くん”
 千晴はそう呼ぼうとして、

 それに気付いた夕吉が振り向いた瞬間だった。



「ぐ…っ!」

「わあぁあ!!」

 どん、という鈍い音と共に固くて重い衝撃が千晴を襲う。

 その衝撃に耐えられなかった体は冷たい床に倒れ込む。



 衝撃の正体は、夕吉だった。