「いや、急にごめん。九十九さんて……失礼な事聞くんだけど、本当にあの前の番長倒したの?…あ、なんか普通の女子生徒って感じがするから…」


 いやいや、貴方もだよ近衛さん!とか思いつつも千晴の頭の回転はトリプルアクセル並み。


 いやー、実はそれってウチのおバカな幼なじみが嘘ついて周りに言い触らした出鱈目で実際、カップヨーグルトかつあげされたのは私の方なんですよ…であとあと忍者の末裔でもないんですよ、あっはははーなんて言えない、言えない!!


 臆病だから。




「私…あのー……臆病な自分から抜け出したくて…」


 (なんじゃこの理由は!!どうしよ、いけるかな?駄目かなぁアレもしかして私、明日の朝日拝めないんじゃない?)


 が、次の瞬間、近衛さんは千晴の両手を掴んで言った。



「分かるよ。いい理由だね、今日から君はもう脱臆病者だよ!一緒に奴等に復讐してやろう!!」

「は、」


 千晴は、彼の言葉に頭がクラクラだった。


 本音を言えない千晴は、この時点で臆病を抜け出せないのであった。