二年になって春の季節と同時に飛び込んできたのは、変わった女子だった。


 図書委員を名乗る彼女は、毎日図書室にやってきては夕吉の側でごそごそ居着くようになった。


 夕吉の真似をして本を読んだり隣で眠る変な女子の存在を、最初は無視していた夕吉も一ヶ月も過ぎると慣れてしまった。


 気づけば夕吉の指示の下、彼女は本の貸出返却を行ったり、棚の整理をしたりするようになっていた。

 夕吉は指示したり、たまに気まぐれに彼女に構うだけで本を読み続けることができた。



 夕吉は、慣れてしまうと同時に“九十九千晴”という女子の存在を便利だと思うようになったのだ。