今、俺は彼女である美姫と一緒に街を歩いている。




――櫻井美姫。




俺の彼女。




彼女は俺と同じ特殊部隊で、同期。




最初は普通に仲の良い仲間だった。




けど…全てを変えたのは、美姫からの告白。




「優輝が好きなの。付き合って?」



ある日、突然言われたこの言葉。



今まで色んな女に言い寄られたことはあるが…




ここまで心拍数が上がったのは初めてだった。




「……俺でよければ」




ちょうど好きヤツもいなかったし、美姫のことは嫌いじゃなかったからOKした。




……けれど。




付き合い始めたのはいいんだが…



なんか俺達、冷めてないか?




普通恋人同士っつったら…手を繋いで歩いたり、寄り添ったり…するもんじゃねぇのか?




肩を並べて歩くときは必ず何故か距離があるし




……会話も少ないような気がする。




美姫を見ても、別に気にしてなさそうだから極力俺も気にしないようにはしてるけど。




それに…




俺達、付き合って2ヶ月は経つのに…




まだ体の関係もない。




俺もそろそろ限界が来そうになっていた。