雨がやんだと思ったら、榎本さんが傘の中に入れてくれていた。 距離が……近い。 「麻妃ちゃんのこと待ってた。ほんとは裏口で待ちたかったんだけど、変な人に間違えられそうだったから」 「あたしを?」 「うん。ちょっと話があってね」 落ち着いてる声…… 雨にも負けず、あたしの耳にストレートに入ってくる。