「逃げることも」 ひんやりとした感触がアサ―ラの首筋に伝わる。 「自ら命を絶つことも」 耳元で優しく囁くように男の言葉が響く。 「あなたはできない」 横を見たアサ―ラの瞳に男の瞳が写りこむ。 石造りの冷たい部屋の中で 青年が無機質に無表情のままの少女の首に刃をあてていた。 その光景は異様で そしてなぜか美しかった。