唇についたココアパウダー
君が口角をあげて食べるガトーショコラ
「おいしい?」僕がきくと
君は優しい笑顔で頷く。
僕の前にはブラックコーヒー1つだけ。

目の前にだされたフォークには
甘い甘い君の優しさ。

「たべる?」ときく彼女には
首を横に振るだけで。
ブラックコーヒーで顔を歪ませてしまう
僕にはその仕草が精一杯で。

君の前でかっこつけたいためだけに
僕はつまらない嘘をつく。

甘い甘い優しさと君の笑顔が好きだから。