氷の姫君

「確かこの階段を上がって右に曲がれば・・・」

呟きながらたどり着いた扉をあけると中は暗いがたしかにセーラさんの部屋だった。

「ここの引き出し・・・。」

え?引き出しが無い!

確かにセーラさんの部屋だったが中にはなにもなかった。

どこに机はいったの?

一人で探していると後ろに誰かの気配を感じて振り向いた。
そこには神妙な面持ちのダルジェが立っていた。

「ダルジェ。」

「なぜこの部屋を知っているのだ?」

「過去にいた時ここでセーラさんと逢ったからよ。」

「そうか。」

「どうかしたの?」

「いや、まだここに来るにはすこし辛いのだ。」

「どうして?」

「お前に話てなにになる?」

急に冷たい瞳になるダルジェ。

「別にそういう風な言い方しなくてもいいじゃない!」

私は怯まないように強気で言い返す。

「言ったはずだ。誰にでもいいたくないことがあると。」

「ええ。そうね。あなたはそれがセーラさんとのことなの?」

「・・・・。」