氷の姫君

「大丈夫だよ。でもすこしだるいかな。」

「寝てる間になにか魔力を使うようなことをしたのか?」

「え?」

「あのね、月華ちゃんが寝てる間凄い魔力が衰弱して危なく消えるところだったんだよ?ダルジェが魔力を送っていたからなんとか大丈夫だったけどね。」

「うそ・・・。」

あれは夢ではないの?

「なにかしたのか?」

「ええ。すこし過去に行っていたの。」

「過去?」

みんなが驚いた瞳でこちらを眺めていた。

「ねえダルジェ?」

「どうした?」

「私セーラさんに逢ってきたの。」

「セーラに?」

ダルジェにセーラさんの名前を告げると困惑した顔をしていた。

「ええ。セーラさんが亡くなる前になんていうんだっけ?えっとたいむすりっぷ下みたいなの。」

「え?月華ちゃんタイムスリップできるの?」

「いえ。多分たまたまだと思います。」

そう。きっと偶然なんだと思う。