氷の姫君

「え?」

気がつくと私は部屋の隅に立っていた。

部屋を見るとセーラさんがベットに寝ており、ダルジェが心配そうに傍に付き添っていた。

ああ、セーラさんの最後の時に私は来たんだ。

「セーラ。具合はどうだ?」

「ええ。大丈夫よ。」

「嘘をつくな。さっき血を吐いたばかりなのだろ?」

「心配掛けてごめんなさい。」

「気にするな。今はゆっくり休め。」

「ええ。っごほごほ!」

「セーラ!」

セーラさんはまた血を吐き出した。
ダルジェはセーラさんを抱える。

私は急いでセーラさんにかけより霊力で癒し始めた。

「月華さん・・・・。」

小声で話しかけ始めた。

「喋らないで!また血を吐くわよ?」

「もういいわ。」

「なにを言ってるの!私は諦めないわ!!」

「でも、あなたが死んでしまう・・・。」

「大丈夫よ!!」

そうするとそっとセーラさんは私の手を取った。

「ありがとう。でも、もう大丈夫よ・・・・。」

「セーラさん・・・・。」

「セーラ?大丈夫か?」

ダルジェに私の声は聴こえていないみたいだった。

セーラさんはダルジェに必死になにかを伝えようとしていた。

あ・り・が・と・う・・・

「ありがとう?」

私は思わず呟いてしまった。

「セーラ?なんて言ったのだ?」

ダルジェはわからなかったのかもう一度聞いていた。

私はそこで急に意識が途絶えた。