氷の姫君

セーラさんは泣きながら笑っていた。

「ねえ聞いて。手紙を書いたのをねこの部屋の引き出しにしまったわ。だからあなたが未来へ帰ったらダルジェと一緒に見てね。」

「・・・・。」

ねえセーラさんあなたはいまどんな気持ですか?

私が黙っているとセーラさんが近づいて来た。

「ねえ?私の分も今を精一杯生きて。あなたたちは人間ではないから永い時間を生きるのでしょうけど、どんなときもそのときを精一杯生きてね。」

「ええ。」

私が力強く頷くとセーラさんは笑ってくれた。

その微笑を見た瞬間体が中に舞う感覚に襲われた。