氷の姫君

それから私たちはいろいろなことについて語った。
セーラさんは話してみるときさくでおちゃめな人だった。

何度か具合が悪くなるセーラさんを癒し続けて私の霊力はきつかった。
だけどこの人を癒さなければきっといますぐ死んでしまう。
私は気力だけで霊力を使っていた。

「あ、ねえ月華さん?私手紙を書きたいわ!」

「手紙?」

「ええ。最後にいろいろ書きたいの。ねえなにか空かない箱はないかしら?」

私はセーラさんの言葉を少し悲しく感じた。
でもセーラさんのお願いはきてあげたかった。

「ちょっと待っててね!」

私は霊力で溶けない氷の箱を作った。

「はい。これは私が触らなければ開かない箱よ。」

「ありがとう。」

御礼を言ってセーラは手紙を書き始めた。

なんだか眠いな。
霊力を使いすぎた。
私はいつの間にか眠っていた。