氷の姫君

「はあ。」

別にダルジェやレンさんが悪い訳じゃない。
ただ私が勝手に羨ましく思っただけ。

少し流れた涙を思い切り唇を噛み止める。

「こんばんわ。」

いきなり話しかけられて振り向くと金髪の綺麗な女の人が立っていた。

「あ、こんばんわ。」

この人誰?
嫌な空気をまとった女性。

「あら、そんなに警戒した顔しなくても。」

そう言ってくすくす笑う女性。

「あなたは誰?」

「私はシェリル。」

「シェリル?」

「ええ、ダルジェ様のファイアンセよ。」

「ファイアンセ。」

ダルジェの?
そうだ、よね。
ダルジェみたいな人にファイアンセが居ないわけがないよね。

真っ白になりかけた頭をどうにか元に戻させる。