氷の姫君

「ああ。ドレスを着て踊るところだ。」

「それは楽しいの?」

「いや、私にとってはあまり楽しくない。」

「そっか。」

「でも行かなければいけないのだ。だから月華にもついてきて欲しいのだ。」

少し悩む月華。
そして少し不安そうな瞳で口を開いた。

「私が行くことで少しでもダルジェの気持が楽になるならいく。」

ダルジェのことを心から思っているという月華の瞳を見てダルジェは思わず苦笑いした。

闇の支配者がこんな小さな娘に心配されるとわな。だが悪い気もしない。
月華が純粋に私を思ってくれるからかもしれないな。

「頼む。雪の御礼に月華にドレスを贈ろう。」

「え?悪いよ。」

「私からの気持だ。受け取って欲しい。」

「ありがとう。」

そういって微笑む月華は雪景色に映えて綺麗だった。