氷の姫君

ふわっ

雪姫が舞い降りる。
それはまさに真の雪女。

綺麗さと冷酷さを兼ね備えている。

「さあ。月華。私の加護を受けたいならば私をころしなさい。」

「殺すって・・・・」

「殺さなければあなたが死ぬのよ?」

くすりと笑うと雪姫は氷を放ってきた。

「くっ!」

私は氷をよける。
その後も雪姫はなお攻撃を続けてくる。

「よけてばかりではだめよ。きちんと殺さなければ。」

一瞬切なそうに微笑む。

「っどうしてあなたを殺さなければならないの?」

私はよけながら尋ねる。
そもそも加護とは守るということだ。

雪姫の力ならば死ななくても加護する力はある。
それになぜ生きているのに加護の言い伝えを・・・

「私は自分では死ねないのよ。」

「自分では死ねない・・・?」

「そうよ。だれもが憧れる永遠の命。それを私はもっているのよ。」

「永遠の命・・・・」

「それは時に美しく時に残酷なものなのよ。」