氷の姫君

「ダルジェの屋敷に私が住んでいるからじゃないの?」

「違うわ!レン様はあなたを優しい瞳で見つめていたもの!」

涙目で訴えてくる彼女。

「ええ?」

「あなたなんかにレン様はあげないわ!」

一方的に理不尽な理由で切れられる。
なんなのこの子たち。

好きな気持ちは仕方がないわ。
でも嫉妬して自分ではなにもしないなんてそんなの恋じゃない。

「はあ。あなたたちレンさんが好きなのよね?」

「っあなたに言う義務はないわ!」

「別に言わなくてもいいわ。ただ一つ言うけど、嫉妬や嫉み他人を傷つけるのが恋なの?そんなの恋でもなんでもないわ。好きならば正々堂々と気持ちをぶつけなさい。コソコソと嫌がらせをするのなんてみっともないわ。」

ぴしゃりと言い放つと彼女たちは黙る。

「それに私だからよかったけれど、他の人にこんな怪我させたらあなただって下手をすれば怪我をするかもしれないのよ?」

私はまっすぐお茶をこぼした少女を見つめる。

彼女は涙目でごめんなさいと呟く。

「恋をするのは自由よ。だけどね、間違った方向に進んじゃだめよ。」

わたしは茫然と立ち尽くしている彼女たちを残して湯をあとにした。