氷の姫君

「この気持をダルジェに言うつもりはないです。」

切なさと優しさが含まれた微笑を浮かべてきっぱりと月華は言い放った。

「なんでだい?」

「だってダルジェまだセーラさんのこと好きだもの。その気持を無視してまで自分の気持を伝えたいなんて思わないわ。」

「でもダルジェは月華ちゃんのこと・・・。」

“コンコン”

「っ入っていいよ。」

レンさんがなにか言いかけたときノックの音が聞こえた。

<ガチャ>

「失礼します。お茶をお持ちしました。」


「ああ。テーブルに置いてくれ。」

「はい。」

そのお茶を運んできた女の子はさっき私にあからさまな嫉妬を向けてきた女の子だった。
手際よく並べつつちらちらとこちらに視線をよこしてみせる。

「あっ!」

勢い良く手を滑らせてお茶のポットを私の上に投げる。」

「きゃ!」

熱いお茶が私の上にかかる。

「なにをやっているんだ!]

「あっすいません!」

慌てたふりをしつつも彼女は微笑んでいた。