氷の姫君

「さあ、まず座って!」

レンさんは私を優しくエスコートしてくれた。

「すいません。」

「気にしないで。まずなんであそこに居たのかな?」

「えっと・・・」

私はさっきまでの経緯を話した。

「そっか。それで飛び出してきたんだ。」

「はい。私がもう少しダルジェの気持を考えてたらこんなことにはならなかったんですけどね。」

苦笑いを漏らしながら寂しそうな顔をしている月華。

ああ、この子のことダルジェは気に入るのもわかる。
あからさまに悪いのはダルジェのほうだ。
だけどこの子は自分よりも相手の事を一番に考えている。

こんな子が居たんだな。