中肉中背、ふわふわした雰囲気とやわらかそうなハーフ顔。片目は眼帯で隠れていて、開いた目は青色をしている。

全てが俺好みな乙女は古びた寝台の上、拘束された手足をばたつかせていた。


この、この、と虚しく響く声。無駄だと言っても、無駄あがきをするのが人間だ。


「クッ」


まったく可愛いあがきだなぁと、つい笑みがこぼれてしまった。


ふと、乙女――夏川璃苑(なつかわ・りおん)が俺を見て、顔を背けた。