一面に広がる緑の平原


あるときは子供の遊び場で

あるときは老夫婦の休憩所


そんな平原の真ん中には

真っすぐにのびる大きな木


ふりそそぐ太陽光

同じくらい明るい人々の笑顔

大木はその笑顔を見守ってきた

その笑顔が大好きだった


でもこの世界は晴れの日ばかりじゃない

曇りや雨の日だってある

晴れてて雨の日だってある

そんな日はみんな決まってさ

大木に寄り掛かって休むんだ


だから大木は大仕事

みんなの水分を吸い上げて

葉っぱに変えたり幹を太くしたり

「そうすれば木陰を与えられる」

「そうすればもっと多くの人が
僕に寄り掛かることができるんだ」

そんなこと思いながらたった一人で


水を与えすぎると枯れる植物

そんな仲間を見ながら大木は誓った

「絶対に倒れたりなんかしない」

「支えるものは倒れてはいけないのだ」と


みんなの笑顔が集まる平原


その真ん中には大木がひとつ…