「弥英ちゃん、やっぱり転校は…いやかな?」
親父がそういうと弥英ちゃんは少し困った顔をした。
転校したくないけど…って感じなんだろう。
「私、ここで一人暮らしします。」
凛とした声で弥英ちゃんが言う。
でもやっぱり一人暮らしっていうのはな~
「今は奨学金とかいろいろあるし」
弥英ちゃんがそういうと親父はやっぱりうーんとうなった。
そんな親父をしり目に母さんの顔が何かをひらめいたように目をかかがせた。
「いい案があるわよ!」
「なんだい、母さん」
親父がそういうと母さんはキラキラした目で俺を見つめた。
「和臣と暮らせばいいのよ!」