─… ───…… 「お前、本当にモテるよな〜。グランドの周りに女の子がうじゃうじゃ来てるし」 「お前目当てかもよ」 「そんなわけないだろ〜」 「何人にモテてもだめなんだよ」 弦はボソッとつぶやいた。 「え?なんて?」 「何でもない」 シューズのひもを結び終え、俺はグランドへ走り出した。 1人だけにモテないと意味ね―っての…。 …あいつ、どこ行ってんだ?