守られし寵妃




「おい」

「なに?」


また、うるさい奴があたしに話しかけてきた。
今度は何?


「んじゃ、何で浅田はてめぇの事【さん付け】で呼んでんだ?」

「・・・・・」

「お兄ちゃん的な存在ならてめぇが浅田の事【さん付け】で呼ぶだろ?」

「・・・・・」



ヤバイな。
突っ込まれたくないとこを突っ込まれた。



「おい。なんか言えよ?」

「・・・・・・」

「また、だんまりか?ゴラァ!!」

「・・・怒鳴んじゃねぇよ」

「あ?なんて言った?」

「怒鳴るんじゃねぇって言ってんだよ」



少しの殺気を出して低い声で唸るように言った。
うるさいんだよね。




「なんだと!!ゴラァっ!」

「病人寝てんだぞ?お前は総長が苦しんで寝てんのに静かに寝かせてやることもできねぇのか?」

「てめぇ、誰にそんな口きいてっか分かってんのか!?」

「さぁ?」

「てめぇ・・」

「そのくらいの殺気じゃ怖くもないし」



コイツの殺気なんて全然感じないし
殺気出すだけ無駄。