「やすしげー私なんで生徒会室行ったんだっけー」


頬を覆う肘を自分の机に突きながら、目の前でマコに捕獲されている安重にそう問う。

そしたら安重もさっきのマコと同じような顔をして、「お前なぁ…」と溜息をついた。

どうでもいいけどなんか安重にだけはそういう反応されたくないわ。
なんかとってもムカつく。


「俺が部活でアンケートノート持ってくの無理だから、帰宅部で超ひまそーにしてたお前に持ってくの頼んだんだろ」

「アンケートノート? 何のだっけ」

「そろそろあんたも精神科ね」


うわなにこの子可哀相、なんて同情の瞳でマコに見られたけど、今回ばかりは無視してやる。
安重も帰宅部で超暇そうとか超失礼。


「修学旅行の料理メニューアンケートが書かれたノートだよ。あー、そうだな。お前そんとき寝てたからな」

「ああ思い出した!」


そうだった。
アンケートがどうの安重にいきなり言われて、それから私が『生徒会室!? 超行って見たい!』とか言ったのが始まりだったんだ。

それから生徒会室に行ったまではよかったんだけど、誰も居なくて。

黒くてふかふかで、数十万しそう(予想)な長くて大きいソファがあって飛び込んだ拍子に私は眠り姫と化して…。



…てゆうかアレ? 私あほ重に利用された…?



自覚した途端、今度は私が安重に右ストレートを食らわしていた。