お姉ちゃんとショッピングなんてなぜだかすごい緊張する。

一応自信のある服を身に纏ったものの、服に時間をかけすぎたせいで家を出るのは1時ごろになった。
お姉ちゃんは相変わらず化粧ばっちり、服の着方もセンスがあってなんかもう自分が本当に惨めだ。


「…どーやったら可愛くなれるの?」

なんて単純な質問を向けてみても

「陽はもともと可愛いわよ?」


何の解決もみなかった。








「これ陽に似合うんじゃない?」

「可愛い! これアタシ買ってあげるから着てきなさい!」


〝お姉ちゃんと一緒にショッピング〟というものは中々ハードで、相変わらず押しの強い我姉はどんどん私に服を押し付けてきた。

でも全部可愛くて、やっぱりお姉ちゃんはセンスがあるなあ、なんて思う。


ほとんど自分の服を買っていないお姉ちゃんに申し訳ないと思いつつ、私達は休憩に近くのカフェへ入店。

扉がスベスベの木で出来ていて、中はフリフリな飾りと可愛い店員さん。
まさに〝オシャレ〟って感じのお店。


可愛い二つ結びの店員さんに案内されて、私とお姉ちゃんは木製で二人用のイスに腰を下ろした。


「コーヒーと、カフェオレね」

愛想の良い笑顔を定員さんに向けて、なれたように注文するお姉ちゃん。

『かしこまりました』なんていう可愛い声が離れて、お姉ちゃんは私に向き直った。