音楽室に入ったら亜美はすぐに荷物を取った。 そして――――、 「ごめん、帰るね――――バイバイ」 これで最後。 みんな、バイバイ。 あたしがいきなり帰るのはこれが初めてじゃない。 誰も気に留めないはずだ。 亜美は素早くみんなに背を向けた。 みんなのめを見ないために。 見たら泣きそうだったから。 亜美はこの日を最後に、もうここには戻ってくる気はなかった。 バイバイ、みんな。 ここは、あたしにとって、最高の場所でした。