【完】愛する君と、




*優side*


「ねぇ、優って志望大学どうすんの?」

「…んー、決めて、ない」

「あんた、高3の夏だよ? そろそろ決めないと」


そうなんだけど、さぁ…。

将来の事なんて、考えたことないし。

もう、千里と同じ大学でもいいかな、なんて思ってる。


「せめて、文系か理系かでも決めないと」

「ぁ、それならあたし理系だから」

「あぁ、あんた国語だめだもんね…。でも、数学どうすんの?」

「…」


無言なあたしに、千里は大きくため息をついた。