「超感動だった」
「てか、配役豪華すぎだね」
「もう1回見たいなぁ」
3人で映画館から出て、
近くのファミレスに向かう。
久しぶりのファミレスに、
少しテンションが上がるあたし。
注文を済ませ、お冷を飲む。
ふと見ると、まだ恵衣は
申し訳なさそうな顔。
「恵衣ってば。もうそんな顔してないで」
「でも、勝手に教えちゃったし。何ていうか、悪くって」
「全然いいよ!どうせ直接聞く勇気のない男なんだからさ」
あたしは恵衣を元気づけるため、
あえて諒司先輩の悪口を言う。
だんだん表情が戻って来た恵衣は、
なぜか顔を赤らめている。
「何、恵衣。申し訳なさそうな顔の次は、頬染めて」
隣の麗華にそう言われ、
更に赤らめる恵衣。
あたしと麗華はじっと待つと。
「あたし…好きになっちゃったかも」
突然そんなことを言いだす恵衣。
あたしと麗華は数秒頭の整理に
時間を使い。
「誰を?」
そう聞いてみた。
「真太、先輩のこと」
語尾にきゃっ、なんて付きそうな
勢いではしゃぐ恵衣。
そう言えば真太先輩って、
恵衣のタイプに当てはまるかも。
「え、いいじゃん!頑張りなよっ」
「応援してるよ。上手くいくように」
そう言うと、恵衣は
嬉しそうに微笑んでありがとうと言った。



