雨のち晴







「テスト、やばいって」






「恵衣、いつもそれでしょ」






3人並んで玄関を目指す。


もうすぐ期末のテストで、


さっきまで勉強してたんだけど。


まだ分からない所だらけ。






「明日からなんだし、もう腹くくりなさいよ」






麗華は秀才だから、


何でも出来ちゃう人。


あたしは普通だから、


出来具合も普通。


恵衣は頭が悪いわけではないのに、


数学だけが大の苦手で。






「麗ちゃん、そんなこと言わないで!夜、家行っていい?」





「はいはい、分かってる。恒例だもんね」






麗華と恵衣は家が近所で、


テスト前になると麗華の家に


入り浸りで、勉強を教えてもらっている。






「じゃあ、また明日ね」





あたしは2つに分かれている道を


右に進む。


いつもここで、2人と分かれる。


そしてここから、


今日はこんなことあったなとか。


そんなことを考える。





「あ、そうだ」






いつも通るコンビニの前で、


ふと思い出す。


今日は、毎月買っている


雑誌の発行日。


あたしは急いでコンビニに入ると、


雑誌のコーナーに立ち寄った。





「あったっ」





目に付いた雑誌を手に取ると、


ついでに飲み物も手に取って


レジに並んだ。