「おめでとうございます!」













白いゴールテープを切った2人は、


2位だったということで


同じ色の手作り感満載の、


紙テープで出来た輪を


首につけていた。











周りにいる人たちが、


2人を祝す。


何よ。


そんなに祝う必要…、ある?


別に普通にゴール…


しただけじゃない。


やだ、やめてよ。


そんなに笑いかけないで。


その子を見ないで。


あたしを、見てよ…。



















ねぇ?







































「朱…、朱里!」












「は…、い?」

















突然かけられた声に、


驚いて体を揺らす。


横には麗華がいて、


不思議そうな顔をしていた。
















「…次、恵衣がリレーだからさ」










「あ、そっか」



















単発的な返事を変に思ったのか、


麗華はあたしの視線を


同じように目で追う。
















「あれ…、見てたんでしょ?」


















「……ねー、麗華」












麗華の声は聞こえず。


あたしは遠くを見ながら、


ふと疑問を口にした。