いつも間にか、


ラスト2種目になり。









「よーい…」










ピストルが鳴った。


女の子がきゃっきゃと


同時に走り出した。


あたしはテントから、


イスに座って光景を眺める。














「楽しそう…、いいな」














怪我をしてしまったあたしは、


元気に楽しく動けるみんなが


羨ましく思った。


今行われてるのは、借り物競争。


メモに書かれたものを持っていく、


というようなそんな感じ。
















「赤いボール持ってる人!」








「水色のタオル!誰かぁ~!」














マイクに向かって、


次々に紙に書かれた内容を


声に出し、言われたものを


持っている人と一緒にゴールする。


というルールになっていた。


それを見ていた時。


一際目立つ、存在があった。














「え、っと…」













甘く、耳に残る声。


マイクの前でもじもじする、


可愛い女の子がいる。


見たくないのに、


視界に入ってしまう彼女。


咲坂里菜ちゃん。