「着いた!」
計画通り辿り着いた、
大型のお土産屋さん。
初日にお土産なんて、と
思ったりもしたけど。
買い忘れるよりいいか、って。
「何見ようかな」
「たくさんあるね」
大型なだけあって、
色んなものが置いてある。
たくさん人がいる中、
来海は松本くんと楽しそうに
お土産を見ていて。
「そうだ」
ふといいことを思いつき。
「春斗、ちょっと来て」
あたしは春斗の袖を掴んで、
お店の外に出た。
春斗は訳が分からない顔で、
あたしに引っ張られる。
あたしが思いついたのは、
2人にしてあげよう大作戦だった。
「どこ行くんだよ」
「いいから、早く」
「ちょ、早ぇって、朱里」
だんだんお土産屋さんから
離れて行くと同時に。
ふと、疑問が沸いて。
来海たちを2人にするってことは。
「何考えてんのか知らねぇけどさ」
あたしと春斗が。
「俺たち2人になっちゃうよ?」
2人きりになってしまう。
そうなるのは、
非常にまずい。
「やっぱり戻る」
「2人引っ付けたいんだろ」
「……何で、分かっ…」
「バレバレだろ、こんなことしてりゃ」
春斗に読まれるなんて。
結構大きいショックを受け止めきれず、
その場で愕然とする。
「朱里」
「何っ…」
「2人でデートしよう」
「えっ、ちょっと」
春斗はそう言うと、
突然携帯を取り出し。
「松本、悪ぃ。俺、朱里と2人になりたいから班行動抜けるわ。じゃな」
勝手にそう連絡をした。
何してんの。
っていうか、誤解されるじゃん。



