「お前関根の回しもんだろ」





あろうことか、この男は。


あたしの上に馬乗りになり、


両手首を掴んで押さえつけた。


は、何なの、急に。


っていうか、馬乗りって。


ちょっと、何考えてんの。





「は?回しもんって。別にそういうんじゃ…」





「お前喋ると犯すぞ」





そう言うと、


意地悪く笑った。


あたしは咄嗟に。





「ばっかじゃないの!」





そう言いながら、


足を蹴り上げた。


思い切り上げた足は


命中したらしく。


武井くんはあたしの上から退き、


痛がりながらうずくまった。






「お前、何やんだよ…ってぇ」





「そっちこそ、頭おかしいんじゃないの?ば、ばかにすんのもいい加減にしてよ」





そう言ってあたしは、


その場から去り保健室を出た。


何なの、何なの、何なのよ。


武井くんって、最低。


っていうか、何あれ。


最低じゃん。


ぷんすか怒りながら教室に戻ると。





「朱里」





また関根があたしを呼んだ。






「春斗は?保健室にいただろ?」





「知らないし。あんな奴、来なくていいじゃん」





「んなこと言うなよ。お前の班なんだからさ」





勝手に班のメンバーにしたのは


あんたでしょ。


喉まで出かけてひっこめた。







「自分で行けばいいじゃん」





「俺は朱里に行ってほしいの」





めちゃくちゃな理由を付けて。





「はい、もう1回」





「まじで最低」






そう言いつつも保健室に向かう。


あたしはなんやかんや、


関根に逆らえない。







「武井くん」






「何。また戻って来たの?」






保健室に行くと、


まだフジ子ちゃんはいなくて2人きり。


さっきの反省を活かして、


距離を取り。